1. ホーム>
  2. 二眼入門>
  3. 用語解説

用語解説

解説文に関してのご注意

用語は全て「当サイト掲載のブローニー(120・中判)フイルムを使う二眼レフに関して」、と「少数の例外を除いた一般的に」という前提で説明しています。説明に適合しない機種があったり、二眼レフ以外のカメラでは言葉の意味合いが少々異なる場合もありますのでご了承ください。また語句の意味だけでなく使用方法や注意点なども記載していますので、上から順番に読んでいただいてもカメラへの理解が深まるかと思います。
各々の説明文最後に、ページ内で別に解説されている関連性の高い語句を掲載しています。

また、使用方法に関連する内容は使い方のページでも説明しています。

あ行・か行

アイレベルファインダー

スポーツファインダー・透視ファインダーとも呼ぶ。ピントフード前面が内側に倒れ素通しになるものや、ガラス入りの枠を装備しているものなどがあり、背面から覗くことにより目の高さでフレーミングを決められる。一部独自の方式を採用する機種もある。
ただ、アイレベルファインダー使用状態のままではピント合わせができないものが大半で、目測での距離合わせとなり見える範囲もかなりアバウト。

赤窓(あかまど)

カメラ背面もしくは底部にあり、フイルムの裏紙に書かれた番号を確認する小窓。余計な光が入りこまないようにシャッターが付いている場合も多い。一般的に底部に赤窓がある機種は、撮影状態になる1枚目だけを赤窓で確認し2枚目以降はカウンターの数字を見ながら巻き上げたり、巻き止め機構が働いたりする方式が多い。
赤い色なのは、モノクロフイルムの赤色感度が低かった名残。カラーフイルムで赤窓を使用しても遮光用の裏紙があるので問題は無いが、光が回り込んで光線引き(フイルムが意図せず感光してしまう)をする可能性もあるので、カラー・モノクロ共に赤窓部分に直接光が当たらないようにした方が良い。

アクセサリーシュー

ほぼ規格化されたアクセサリー(周辺機器)の取り付け部分。二眼レフでは側面にある場合がほとんどで、後年の機種ほど装備している率が高いように思う。用途は主に、ストロボ(フラッシュ)や小型露出計などの取り付けに使用する。ストロボ用の同調接点があるものは、「ホットシュー」と呼ぶ。

圧板(あつばん)

撮影位置に来たフイルムが、浮き上がらないように押さえるための平板。特殊なものを除き、裏蓋側に板バネなどを介して付けられている。押さえ圧が弱すぎるとフイルムの平面性が悪くなり、ピントがずれた写真になることも。強すぎるとフイルムに傷が入ったりもする。

後玉(あとだま)

一番後ろにあるレンズを指す。カメラの「レンズ」は、複数枚の単体レンズが組み合わさって出来ているのが通常なので、このような呼び方をする。「こうぎょく」と呼ぶ方もあるらしいが、個人的には「あとだま」。前玉よりもフイルム面に近い後玉にある傷や汚れの方が、画質に影響を及ぼしやすい。

裏紙

二眼レフに使用するブローニーフイルムの裏面(ベース面側・カメラの後ろ側に来る)に付いている遮光用の紙。スタートマークや各種中判フォーマット用のコマ番号が印刷されているが、二眼レフでは6x6用の中央の数字を主に使用する。

OEM

本来はブランド供給・製造元に対して用いられる言葉のようだが、製品の供給を受けて別ブランド(別名称)で販売しているケースの総称して使う場合も多い。
二眼レフでは、海外販売分を中心にタワーレフレックス25ソリゴールなど多くのOEMがある。これらのデータは非常に少なく、詳細不明の機種が多く存在する理由のひとつともなっている。

オートマット

通常は別途解説する「セミオートマット」機構を指す。裏紙の先端を巻き上げ側スプールに引っ掛けて巻き上げてゆけば、フイルム1枚目の撮影状態で自動的に止まるという「フルオートマット」の機種は、「マミヤフレックス オートマットA」や「フジカフレックス」、露出計装備のイコフレックス・ファボリット位しかないのだが、カメラ名などには「オートマット」は頻繁に使われていた。
ローライフレックス各モデルもフルオートマットに準じるが、フイルム装填の際にローラーの間にフイルムを通すという半手間が必要となる。

カウンター

カウンターはカメラの右側面にあるのが一般的だが、他の場所にある機種も多い。新たにフイルムを装填する際に、手動でリセットするものと裏蓋を開けると自動でリセットされるものとがある。フイルムの装填時と撮影コマ送り共に赤窓を利用する機種は、赤窓から見る数字がカウンター代わりなので機械的なカウンターは無い。また戦前の機種などで、巻き止め機構は無いが赤窓の代わりにカウンターを見ながら巻き上げを行う機種もある。

コマ間

撮影したフイルム上の画像の1コマと1コマの間隔。フイルム現像後にしか確認できない。巻き止め機構がある機種で、画像同士がくっついたり重なったりする場合は要修理。赤窓式の場合は自己責任。昔と現在のフイルム・裏紙の厚さが違うためコマ間が狭くなるケースもあるが、フイルム装填時に薄い紙を数センチ巻き込ませておくことで改善する場合もある。

コンデンサーレンズ

コンデンサレンズでも可。ファインダー上の明るさを高めるための凸型集光レンズ。体感はフレネルレンズ入りのスクリーンよりも明るいが、デメリットもありレンズ自体が重く重心が上に来てしまうこと。コスト的にも高かったのか採用している機種も少ない。
通常はコンデンサー下部がマット状になっていて、レンズ全面でのピント合わせが可能。一部機種は中央部のみでのピント合わせだったり、ファインダーでのピント合わせが出来ない目測式となっている機種もある。

Page Top

さ行

最短撮影距離

どれくらいまで被写体に接近して撮影できるか。距離はピント位置からフイルム面までで、1m程度の機種が多い。カメラに表記された数値より寄れる(ピントノブ・レバーが数値を超える)場合もある。
ただし二眼レフの構造上、ファインダーで見える画像と、実際に撮影される画像とはズレ(視差)が生じる。プロクサーを使うことによって更に近接も可能。

撮影レンズ
視差補正機構

二眼レフは、構図を決める(ピントを合わせる)レンズと撮影をするレンズが別であるため、ファインダーで見える映像と実写画像にズレが生じる。視差補正機構とは、スクリーン上でマスクを移動させるなどして「見える範囲の差」を矯正するもの。ピント位置を近くするほど視差は大きくなり、見える範囲は補正できるが前後にあるものの重なり方などの「見え方」は補正できない。
補正機構が無くてもスクリーンサイズを小さくすることによって、「見えている部分が写らない」ということを回避している機種もある。

スクリーン
スタートマーク合わせ

フイルム装填時の方式の一つ。フイルムの裏紙に書かれたスタートマークを、カメラ内の指標に合わせてから裏蓋を閉じる。その後所定動作(不要の場合も)をし巻き上げれば、自動的に1枚目がセットされるという方式。スタートマーク合わせのものを、シャッターチャージの方式を問わず「セミオートマット」と呼ぶのが一般的であったようだ。

スプール
スローシャッター

低速(シャッターが開いている時間が長い)のシャッター速度のこと。何秒から何秒までという規定は無いが、一般的に1秒から1/15秒くらいの範囲を指す。スローシャッターを作動させるには、構造上速度調整部品(調速機・ガバナー)が必要となるため、コストダウンが必要な普及機ではスローシャッター域を割愛している場合もある。
また、この速度域での撮影は手ブレ(シャッターが開いている間にカメラが動いてしまう)しやすく三脚を使うなどの対処が必要。

セミオートマット

二眼レフ全盛の頃から既に定義が曖昧であったが、多くの場合はスタートマーク合わせでのフイルム装填機構のある機種を呼ぶ。ただし、スタートマーク合わせでセルフコッキングの機種のみそう呼ぶ人もある。
当サイト内でもきちんとした定義づけをしていないため、スタートマーク合わせの機種全般と理解いただければと思う。

セルフコッキング

フイルムの巻き上げ操作に連動して、シャッター駆動用のバネを自動的にチャージ(セット)する機構のこと。1枚撮影するごとに手動でシャッターをチャージする必要が無く便利であるが、内部機構も複雑になるため主に高級機を中心に採用された。

Page Top

た行・な行

チャージ

シャッターチャージ。シャッター駆動用のバネをセットする行為。
撮影ごとに手動でセットするものと、フイルム巻き上げの動作と連動して自動的にセットされるもの(セルフコッキング)とがある。手動のものはシャッター外周のレバーでチャージするのが一般的。また、普及機の一部ではチャージ自体が不要な「エバーセット式」のシャッターを採用している機種もある。

吊り金具

文字の通りカメラを吊るために、ストラップを取り付ける金具のこと。ストラップアイレットとも言う。一般的なのは、平紐を通し折り返して留めるタイプ。
専用品しか取り付けられない形状のカメラも意外と多いので、購入時のチェックポイントの一つ。ストラップ付きの革ケースがあればぶら下げられるが、フイルム交換は革ケースからカメラを出す必要があり少々手間となる。

テイクレンズ

前面下側にある撮影用のレンズで、画像の形成・画質に係わるのはこちら。ビューレンズとは別のもので、上下に離れているのでファインダーで見えた映像とは僅かに異なって写る。通常は各メーカーが最も力を入れた部分で、焦点距離・明るさ、画質などカメラによって様々。

透視ファインダー
内面反射

テイクレンズを通る光が、レンズ内やフイルム室内で乱反射することを指す。撮影画像にコントラストの低下や、明るさのムラといった影響が出る場合がある。
中級機以上を中心に、フイルム室内にバッフル(遮光壁)を設けたり、ザラザラしたつや消し塗装を施して対策してある場合も多い。自身で植毛紙を貼り付けることなども対策可能だが、それ自体が画像内へ写りこまないように注意が必要。

二眼里程標(にがん・りていひょう)

2006年に公開された、カメラ関連サイトの中で世界最高水準の情報量を目指した二眼レフ特化型サイト。2012年7月28日に3度目のフルリニューアルを行い、ようやくWEBサイトらしくなる。一応、中の人というのが存在するらしい。

Page Top

は行

ビューレンズ

前面上側にあるピント合わせや、スクリーン上での構図確認用レンズ。テイクレンズとは別のもので上下に離れているので、ファインダーで見えた画像と撮影画像は若干異なる。つまり撮影画像の画質には一切関係ないので、ビューレンズの多少の傷やカビは大きな問題にはならないとも言える。
ビューレンズの明るさ(F値)がスクリーンの明るさに繋がるので、撮影レンズよりも若干明るい(F値か小さい 例:テイクレンズF3.5 ビューレンズF3.2等)ものも多い。

ピントの山

ピントの最も合った状態を山の山頂に例えた言葉。~が掴みやすい等の言い方をする。比喩に沿えば、山頂が急なほどピントの合ってない状態⇔合った状態の差異を判別しやすいが、スクリーンの質やビューレンズの明るさ、ミラーの状態等にも影響される。

ピントフード

カメラ上部にある折り畳み式の囲い板。スクリーン上の像を見やすくするために、外光を遮断する役割を持つ。ワンタッチで前後が下側から立ち上がる形状のものが最も多く、4枚板がそれぞれ独立したものやローライフレックスの後期に採用された屏風型などがある。4枚板独立形状のものは、左右を内側に倒してから、背面・前面の順に畳むのが一般的。
多くの機種で、前方の枠を内側に倒し込むなどして、目の高さでフレーミングが出来るアイレベルファインダーを装備している。

ピントルーペ

ファインダー上でピント合わせをする際、像を拡大して補助する。ピントフード前面裏側に格納されているものが多いが、フード後方にあるものも。拡大の倍率や視野の広さ、歪曲収差(周辺部の直線が曲がって見える)の大小など様々。ピントルーペを出したままスクリーン全体を確認できる方が撮影の効率は良好で、枠が大きく遮光性に優れるものも良い。

フォーカシングスクリーン

ピント合わせのための焦点板。ピントグラスなどとも呼ぶ。ガラスやアクリルの片面(通常は下側)をスリガラス状にして、ビューレンズを通りミラーに反射した光が結像する。
ファインダー像を明るくするために、フレネルレンズの追加やスクリーン自体のコンデンサーレンズ化など様々な工夫が施された。水平・垂直を取るための補助線が入ったり、サイズも視差をカバーするために撮影画像の実サイズより小さ目なものも多い。

フィルム

撮影した画像を記憶するための感光剤。当サイト掲載の二眼レフに使用できるものは「120」という規格で、「ブローニーフィルム」や「2B」とも呼ぶ。二眼レフでの撮影枚数は12枚。いわゆる「普通の」フィルム(35mm・135)とは異なり、撮影後に巻き戻す必要はなく、コマ番号やスタートマークの印刷された遮光用の裏紙と一緒に巻かれている。
ちなみに二眼里程標管理人が「フイルム」と書く少数派なので、サイト内の記載も全て「イ」が大きい仕様。

フレネルレンズ

薄いアクリルやプラスチックの板に同心円状の溝を彫り集光性を高め、スクリーンの明るさを改善するために用いられた。ピント合わせがしやすいように、中央部は溝が入っていない(センターマット)場合も多い。通常はスクリーンとは別の部品で、両者の間に汚れが入り込む場合も稀にある。
フレネルレンズ入り=ピントの合わせやすさとは一概には言えず、明るければ必ずピントの山が掴みやすいというものでもない。

プロクサー

近接撮影レンズの総称。クローズアップレンズ。取り付け方法や撮影距離などを、「二眼の周辺」の汎用アクセサリーのページで詳しく解説している。

ベスト判

コダックが主導したフイルム規格の一つで、ブローニーを小さくしたような127フイルムを使用する。有名なカメラとしてはベストポケット・コダック、二眼レフでは4x4フォーマットのベビーローライやヤシカ44がある。ベスト判というのは本来4x6.5cmフォーマットを指すものなので、4x4cmのスクエアサイズはスーパースライドと呼ぶ方が適切。ただ、通称として「127フイルム=ベスト判」という認知が広いので、当サイトでも4x4cmをベスト判と記載している。

ヘリコイド繰り出し式

ピント合わせ方式のひとつ。螺旋状のネジ溝を利用してレンズが前後すると思って差し支えないだろう。
同じヘリコイドでも直進式と回転式とがあり、レンズ自体が回転しない直進式は工作精度の問題もあり採用している機種は少ない。代表機種はミノルタオートコードなど。
回転式では、上下レンズをギアで連動させるリコーフレックス7型などが代表例。こちらはただ単に「レンズ回転式」と呼ばれることも多い。

Bay1(べい・わん)

レンズ前面にアクセサリーを取り付けるための3本爪バヨネット規格。「B30」とも呼ぶ。Bay2・Bay3・Bay4もあり、順にサイズは大きくなり外側と内側のバヨネットを使ってレンズフードとフィルターなど2つのアクセサリーを同時に付けることが可能。
発生元はローライの二眼レフだが、規格がオープンにされたものではないので特に内爪を使うアクセサリーは相性の問題で取り付けられない場合もある。他社の二眼レフがコピーして用いたのは大半がBay1サイズ。
また、「Bay」自体が「バヨネット」の意味なので、「Bay1バヨネット」と呼ぶと厳密には語句の重複。ただ、当サイト内では頻出している。

Page Top

ま行・や行・ら行・わ行

前板繰り出し式(まえいたくりだししき)

二眼レフのピント合わせ方式の一つ。同じボードに固定されたビュー・テイクレンズが、平行に前後することでピント合わせ・上下レンズのピント同期を行う。左右の平衡保持には、勾玉状のカムが利用されていることが多い。実際には、カメラ前部にある前板とレンズの乗っているボードとは別部品の場合が多く、前板の平行が狂っているのが即ピント不良というわけでもない。

前玉(まえだま)

一番前にあるレンズを指す。「ぜんぎょく」と呼ぶこともあるらしい。カメラの「レンズ」は、単体レンズが複数枚組み合わさって出来ているのが通常なのでこのような呼び方をする。前玉の少々の傷はさほど画質に影響はしない。

巻き止め

フイルムを巻き上げた時に、自動的に次のコマの撮影位置でロックが掛かり止る機構。機構部分がカメラ内部にあるものと、外部に露出しているものとがある。

無限遠(むげんえん)

最も遠い撮影距離で、距離指標は「∞」のマークが多い。通常はそこでピントノブやレバーが止まるようになっている。無限大と呼ぶ人もあるが無限遠が正解(のはず)。

ルーペ
レンズ構成

一般的な写真用レンズは、複数枚のレンズが組み合わさって構成されている。構成は○群○枚と呼ばれ、2枚のレンズを貼り合せて使用している場合1群2枚となり、3枚構成の場合3枚全てが張り合わせならば1群3枚だが、3枚がそれぞれ独立しているものは3群3枚となる。
二眼レフに使用されている代表的な構成は、3群4枚のテッサータイプと3群3枚のトリプレットタイプ。構成枚数が多いからと言って、一概に良いレンズとは言えない面もある。

レンズフード

テイクレンズ前側に取り付け、余計な光がレンズに当たって画質の劣化が起きるのを防ぐ役割のアクセサリー。レンズシェードとも呼ぶ。
形状は角型か丸型で、レンズ自体が回転するものには丸型のフードを用いる。取り付けは、汎用性のある被せ式やバヨネット(Bay1)、一部機種では専用品しか取り付けられないものも。

ローライフレックス・ローライコード(型・コピー)

世界中の二眼レフが手本としたのはローライ(フランケ&ハイデッケ社)の二眼レフであり、大半のカメラがローライの影響を受けており、そのままコピーしたような機種も多くある。
厳密な定義は無いが、主に左ピントノブ・右巻き上げクランクのものを「ローライフレックススタイル(コピー)」と呼び、右にピント・巻上げノブがあるものを「ローライコードスタイル(コピー)」と呼ぶケースが多い。ローライフレックスMXローライコード4型のページも参照。