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ヤシカフレックスの見分け方

はじめに

ヤシカフレックス ピントフードエンブレム

国産メーカーのヤシカ(八洲光学)からは多くの二眼レフが発売され、現在でも中古市場やオークションで頻繁に見かけるため入手のしやすいカメラです。ただ、まとまった資料が少ない上に、ネームプレートも単に「Yashicaflex」と書かれただけのものが多いため、購入しようと思ってもどれを買ったらよいのか迷うこともあるかと思います。

そこでこのページでは、実際に手に取ってスペックなどを確認できないオークションやネット通販で、画像を元にヤシカフレックスの機種を見分ける手掛かりを記載してゆきます。

ヤシカの二眼レフは構成枚数などは違っても、テイクレンズは全て「80mmF3.5」のレンズ付です。
Yashica-AYashica-DYashica-AutoYashica-Matは、それぞれ単独で機種紹介ページを用意しています。

ご注意いただきたいこと

出来るだけ確認をして記載していますが、例外の固体や勘違い・間違いがあるかも知れません。機種によっては、資料毎に明らかに別の仕様のカメラが掲載されていたりもします。
下記の何れにも該当しないものも存在し、フレックスCや新Aのシャッターが1/500になったモデル、新Aは更にレンズ前面にBay1バヨネットを装備したもの、A2のセミオートマットバージョン(A3?)、新Bの1/400シャッター装備など非常に多くの亜種とも言えるモデルを確認済みですので、あくまで参考資料としてご利用ください。

先ず確認するべきこと

「Yashicaflex」銘のネームプレート

当たり前かと思いますが、先ず見るべきはネームプレートです。
ネームプレートに「Yashica-○」との表記があれば、見分けるのは非常に簡単です。ページ下側ネームプレートが「Yashica-○」の機種のスペック・概要でご確認ください。
「Yashicaflex」のみの機種は、バヨネットの有無が最初の手がかりとなります。以下の「見分け方」で当てはまるものを探しネームプレートが「Yashicaflex」の機種のスペック・概要で仕様を確認してください。

別の型番で一致してしまう記載もあるかも知れませんので、複数の記載を確認していただければと思います。また、画像でシャッター速度やレンズ銘の確認が出来る場合は、ページ下のスペック・概要とも照らし合わせていただくと、より正確に判別できるかと思います。

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ネームプレートが「Yashicaflex」のみの機種の見分け方

まずレンズ前面に、掲載画像のような3つの突起のあるバヨネット(Bay1)があるか無いかで振り分けを行います。該当するカメラ名をクリックすると、その機種のスペック・概要欄に移動します。

レンズ前面がバヨネットマウント(Bay1)の機種バヨネットあり

上下レンズ間左右に絞り・シャッターを変更するダイヤルがあり、カメラ本体の色が黒。ピントフードのロゴなど微細な部分が異なる場合もあるが、概ねヤシカDと同じデザイン。
新B型
前面左右のダイヤルが無い。レンズ間とピントフードに、赤文字と赤楕円の囲みで「Yashica」の記載があり絞り指標も赤文字。稀に、レンズ間のマーク・絞り指標の文字が黒の個体もある。
C型(「Yashica-C」表記のものとは異なる)
ネームプレートがやや縦長で文字が筆記体調、小さな穴が開いている(跳ね上げ式で、下に露出計受光部がある)。向かって右側面に、突起した黒い部品(露出計)が付いている。
S型

レンズ前面にバヨネットが無い機種バヨネット無し

ネームプレートの「Y」と「f」が筆記体調。ストラップ取付金具がカメラ前側まで来ていない。ネームプレートを除きヤシマフレックスと同じ外観。
旧B型
前面左下にシャッターボタンが無く、シャッターダイヤル外周は銀で内側が黒。向かって左側面にカウンターが無い(背面に赤窓がある)
旧A型
向かって左側面にカウンターがある(背面に赤窓が無い)
AII型(A2型とは異なる)

旧A・AII型のシャッターボタンがあるタイプも存在するので、露出計無しなら上記に照らし合わせて旧A・AII型をご判断ください。

シャッターチャージレバーが、ヤシカDと同じ根元が太いもの。テイクレンズ下のシャッター名が「COPAL」で1/25~1/300、カウンターあり(赤窓無し)
新A型(「Yashica-A」表記のものとは異なる)
「CITIZEN-MXV」で1~1/400、カウンター無し(赤窓あり)
A2型(AII型とは異なる)
ネームプレートがやや縦長で、小さな穴が開いている(跳ね上げ式で、下に露出計受光部がある)。向かって右側面に、突起した黒い部品(露出計)が付いている。カウンターがある(赤窓が無い)
AS型
カウンターが無い(背面に赤窓がある)
ASII型

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ネームプレートが「Yashica-○」の機種のスペック・概要

A(AIII)・ROOKIE(ルーキー)
基本性能はほぼ同じで、位置付けは入門機だが必要十分な機能。ルーキーは、マスクを使ってセミ判撮影が可能。そのため背面の赤窓が645用もある。
スローシャッター無し(B・1/25~1/300)。ノブ巻上げ・赤窓確認フイルム送り。
Yashica-Aは「二眼入門」の「使う」のページで、使用方法の解説をしています。
D・635
共に基本仕様はほぼ同じ。レンズは基本的にヤシコール3枚玉で、Dの後期に4枚玉ヤシノン付きも。シャッター速度はB・1~1/500。フイルムはスタートマーク合わせの自動巻き止めだが、シャッターチャージは独立式(巻上げ非連動)。スクリーンはフレネルレンズ入りでカウンターも自動復元。
635はマスク使用で、44や35mmなど各種サイズの撮影が出来る。
Mat(マット) ・ Auto(オート)
マットが当時のヤシカの最上位機種で、オートはコストダウン機と思われる。
レンズはマットがヤシノンかルマクサーの4枚玉で、オートは同じヤシノン銘だが3枚玉のようだ。他の基本性能は同じで、フイルム装填はセミオートマット。シャッターはB・1~1/500で、クランク巻上げ・セルフコッキング(フイルム巻上げとシャッターチャージが連動する)。
B・C・E
Bがバヨネット無しでCがバヨネットあり。共に輸出中心の機種だったようで、国内で見かけることは稀。
B・Cの共通の仕様は、レンズはヤシコール3枚玉でフレネルレンズ装備。フイルム装填はスタートマーク合わせの自動巻き止め・カウンター自動復元だが、シャッターチャージは巻き上げ非連動。Bはシャッター速度がスロー域無しのB・1/25~1/300、CがB・1~1/300。
Cに露出計を装備したのが「Yashica-LM」(「YASHICA-MAT LM」の機種とは異なる)。ネームプレートが「Yashicaflex」のB・Cとは異なる機種なので注意。
Eは外観が特徴的な自動露出(EE)機。マニュアル露出も可能。シャッターは単速で、レンズはヤシノン銘だが3枚玉とのこと。
12・24・LM、MAT-LM・EM・124・124G
「Yashica-LM」表記(MATが無い)のLMは、ヤシコール付き1~1/300。スタートマーク合わせ、ノブ巻上げチャージ別。露出計はネームプレート跳ね上げでセレン。
他は全てテイクレンズはヤシノン4枚玉で、露出計付きでクランク巻上げ。シャッター速度は1/500まで。上下レンズ間左右ダイヤルでの絞り・シャッター速度変更も共通。
LM・EMはセレン露出計で微細の変更のみ。12・24はCds露出計で、24は220フイルムが使用できる。124は12・24の良いところを併せ、120・220フイルムの表示を自動化したもの。その全体をブラック仕上げにし、電気接点に金メッキをしたのが124G。

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ネームプレートが「Yashicaflex」の機種のスペック・概要

新B型・C型
共に3枚玉のヤシコール付きで、Bay1バヨネット採用。ノブ巻上げ・セミオートマット機。
新B型は、1/500までのシャッターやフレネルレンズなどで使い勝手は良好。シャッターチャージは巻き上げに連動しない。同機能・同スペックのヤシカDのページを参照。1/400シチズンシャッターでネームが樽型ではなく角型のモデルも存在するが、恐らく非常に初期の新B型と思われる。
C型はシャッター最高速が1/300で、チャージは手動。絞り・シャッター速度変更はレバー操作。フレネルレンズは入っていないが、中古市場での数は多く実用性も高い。
旧A型・旧B型
旧A型はシャッターがB・1/10~1/200でレンズがヤシマー。旧B型はB・1~1/300と広くトリローザ付き。共にフイルムは赤窓式のノブ送り。旧A型は、ボディにシャッターボタンがあるか無いかが資料によって異なる。旧B型にはシャッターボタンあり。
新A型・A2型・AII型
シャッターチャージは全て手動。新A型とAII型は、フイルム装填がスタートマーク合わせのセミオートマット機。シャッター速度はそれぞれB・1/25~1/300、B・1/10~1/200。A2型は赤窓式だがシャッター速度域が広く、B・1~1/400。レンズは新A・A2型がヤシコールでAIIがヤシマーが基本だが、A2型にヤシマー付きなどもある。また、A2型がセミオートマットとなったA3型とも言うべきモデルも。
S型・AS型・ASII型
全てセレン式露出計装備機種。S・AS型はスタートマーク合わせの自動巻き止め式。ASII型は赤窓式。S型は世界初の電気露出計装備二眼レフ。シャッター速度1/300まででレンズはヘリオター3枚玉。AS・ASII型は同1/200まででヤシマーレンズ付き。