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Tower Reflex 25

タワーレフレックス25は、アメリカのシアーズ・ローバックから発売された二眼レフだが、元は日本のアイレス写真機製作所製のアイレスオートマット(Aires Automat)。テイクレンズには、定評のあった日本光学(ニコン)のニッコールレンズを装備する。
タワーレフレックス銘の二眼レフには、国産のアイレスフレックスZ型ワルツフレックスを始め、海外の二眼レフがベースのものなどバリエーションが非常に多い。

当機の仕様は基本的にアイレスオートマットと同じだが、レンズ周りのBay1バヨネットが36mmの被せ式に変更されて落とし込みのシリーズフィルターが使用でき、シンクロ接点もMX式が採用されている点が異なる。
オーソドックスなローライフレックスタイプで、右クランク巻上げの左ピントノブスタイル。フイルム装填はスタートマーク合わせ式で、カウンターも自動リセットに対応。
絞り・シャッター速度指標にはクリックストップが設けられており、大型でロック付きのシャッターボタンなど細かな部分での使い勝手も良好だ。
このクラスでスクリーンフレネルレンズが無く、フイルム室内の内面反射も未対策なのは非常に残念。
遮光性の高いピントルーペは、定位置にセットされる方式が独特な機構になっており、右側に現れるレバーの操作でワンタッチ収納が可能。ただ、そのレバーも含めルーペ周りの強度が不足しているのは気になるところだ。

アイレスブランドではニッコール・ズイコー・コーラルと三種類のレンズが販売されたが、タワーブランドで供給されたのはニッコールのみ。日本光学は二眼レフを生産しなかったので、ニッコールレンズを使える二眼レフはアイレスオートマットとアイレスフレックスZ型、そして各々のタワーブランドの計4機種のみとなる。
発売当時もレンズによって価格差があったが、現代でも神話にも似たニッコールレンズの評価により同レンズ付のみが高価に取引されている。

タワーレフレックス25 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Sears Roebuck シアーズローバック (アイレス写真機製作所)
アメリカ (日本) 1955年
ビューレンズ
View-Nikkor C 75/3.2 ビューニッコール
テイクレンズ
Nikkor-Q・C 75/3.5 ニッコール
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 2・2/3ft
フード取り付け
36mm被せ式
シャッター
Seikosha-Rapid B・1・2・5・10・25・50・100・250・500
シャッターチャージ
巻き上げ連動式(セルフコッキング)
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面クランク スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
左側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各1本 補正マーク
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H135×W76×D99mm 1025g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • 絞り指標周りカメラ底部
    [左]テイクレンズ周りはすっきりした印象 [右]裏蓋のロックは二重式
  • シャッターボタン周りピントルーペ
    [左]シャッターボタンの径は大きめ [右]ピントルーペはレバーでの出し入れ 位置決め方法も独特
  • 巻き上げクランクピントノブ革ケース
    [左]巻き上げクランクの操作性は良好 [中央]ピントノブには距離・被写界深度指標とMade in Japanの文字 [右]革ケース

管理人の

アイレスオートマットとして紹介されている場合がほとんどのカメラです。ニッコールレンズを絶賛する記事もありますが、お世話になった修理職人さんは「たいしたことないよ」と仰ってました。個体差も好みもイロイロあるので一概には言えませんが、できれば比較テストなどもしたいと思っています。
どうにも巻き上げ関連のトラブルが多いようで、修理サイト等でもその部分が取り上げられていたりします。掲載機も不調→自分で修理を繰り返し、側面はいつでも再開腹できるように革無し状態で使用中。
アイレスフレックスのZ型に比べてオートマットの数は少なめ。掲載機は、スクリーンが手作りスプリット付き?に変えられていた為か、案外安く入手できました。中判カメラのニッコールレンズと言えばプラウベルマキナやブロニカが有名ですが、ニコンファンは忘れず二眼レフも押さえておきたいところです。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★☆
  • 使いやすさ…★★★★
  • 見つけやすさ…★★ アイレスオートマット(ニッコール付き)も同等