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Yashica-A

ヤシカの二眼レフの歴史は非常に長く、八洲光学時代のヤシマフレックスから数え25機種ほどのバリエーションがあり、ネームプレートの銘が「Yashicaflex」で機構の類似したモデルが非常に多い。複雑なヤシカ製二眼レフの特徴と型番の見分け方は、情報倉庫の「ヤシカフレックスの見分け方」に掲載している。

掲載機ヤシカAはラインナップの普及機に当たり、正式な名称として「ヤシカフレックスAIII」と呼ばれることも。1961年当時、6800円という戦略的低価格で発売された。
ヤシカAは輸出向けが非常に多かったようで、国外のオークションでは常に複数台確認できる。

実質ヤシカルーキー(Rookie)の後継機にあたり、6×4.5撮影用の赤窓を廃止して、通常のブラックモデル以外に3色のカラーモデルを設定した。カラーモデルは、青ベースの掲載機の他、黒ベース白革と赤茶色ベースがある。このカラーバリエーションは、先行して発売されていたヤシカDのカラーリングと全く同じ。
ピントフードのマークは、無し・立体・平面とがあり、黒モデルの立体的なものが古いロゴで金の平面なものが新ロゴ。レンズキャップや革ケースにも、カラーバリエーションに沿ったものがあり、被せ式のカラーレンズフードも存在したようだが見かけることは稀だ。また、ビュー・テイクレンズには、三枚構成のヤシコール(Yashikor)とヤシマー(Yashimar)付きとがある。

安価な普及機ながらしっかりした作りで実用性は高く、スペックや使い勝手も良好だ。シャッターの最高速度は1/300までと必要十分であり、ガバナーを使うスローシャッター域は無く、赤窓でのフイルム巻上げなど壊れる要素もとても少ない。フレネルレンズこそ入っていないものの、裏蓋の二重ロックや視野の広いルーペを装備。
当サイト掲載機種の中では非常にスタンダードな仕様のカメラなので、「二眼入門」の「二眼レフの使い方」で赤窓機種の代表として取り上げ、使用方法を詳しく解説している。

ヤシカA オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
ヤシカ(八洲光学) 日本 1959年
ビューレンズ
Yashikor 80/3.5 ヤシコール (Yashimar 80/3.5 ヤシマー)
テイクレンズ
Yashikor 80/3.5 ヤシコール (Yashimar 80/3.5 ヤシマー)
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 3.3ft
フード取り付け
32mm被せ式
シャッター
Copal B・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各2本 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H138×W77×D98mm 895g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • カラーモデルバリエーションピントフードロゴ
    [左]カラーモデルのバリエーション 茶色のみ未掲載 [右]ピントフードのエンブレムにも様々なバリエーション
  • テイクレンズ周りピントルーペ
    [左]テイクレンズ周りは非常にシンプル [右]ピントルーペの周辺に収差は目立つが、視野はスクリーン全体をカバー
  • レンズキャップ革ケース
    [左]黒と青の被せ式レンズキャップ [右]革ケースにもカラー違い等がある

管理人の

国内では掲載のブルーモデルを、海外ではブラックモデルを多く見かける印象です。ヤシカDのページに掲載している茶色モデルは何故か見かける機会が非常に少ないです。ただ、カラーモデルは革部分のの劣化や汚れが目立つので、購入時にはよく確認した方が良いかと思います。また、「Yashica-A」銘の革ケースは、掲載写真以外にもバリエーションがあるようです。
基本性能は十分なので、安価で状態の良いものがあれば入門機にいいと思いますが、さほど小型軽量というわけではありません。無論、入門機には絶対赤窓機種がお勧めということではありませんので、フレネルレンズ付きの巻き止め機なども予算とご縁で検討してみて下さい。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★☆
  • 使いやすさ…★★☆
  • 見つけやすさ…黒★★★☆ カラーモデルも同等(茶色のみ★☆) ルーキー★★☆