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Yashica-Auto

日本を代表するカメラメーカーであったヤシカ。
掲載機ヤシカオートは、クランク巻上げを採用し巻上げとシャッターチャージを連動させたモデルで、スペック的には当時既に販売されていたヤシカマットとほぼ同様なのだが、ヤシカマットよりも安価に販売された。
二眼レフの価格競争が熾烈になってしてきた頃であり、オートフレックスなどの安価なセルフコッキング機種に対応するべく投入されたもののようだ。
ヤシカマットは息の長いモデルとなったが、当機は何故か直ぐに生産が終了しており見かけることも少ない。ヤシカオート発売後半年を経ずに、露出計付きのヤシカマットLMがほぼ同じ価格で発売されているので、ラインナップの見直しによって淘汰されたものと思われる。

テイクレンズは、80mmF3.5のヤシノン銘。通常、ヤシノンは4枚玉に付く銘なのだが当機は3枚構成のようだ。レンズの反射面を数えてのことなので断言は出来ないが、3枚玉と記載している資料もあるので「コストダウン判ヤシノン」かも知れない。
フイルム装填は一般的なスタートマーク合わせ式で、シャッターは1/500秒までのフルスペック、スクリーンにもフレネルレンズを装備し実用には十二分。

カメラの仕上げなどは悪くはないのだが、絞り・シャッターダイヤルはプラスチック製(のちに、ヤシカDやヤシカマットもこの仕様に変更されている)であり、各部の操作はややギクシャクした感じがある。フイルム室内の内面反射対策バッフルも装備しておらず、発売年の1959年となれば二眼レフは既に衰退期であり、コストダウンを意識した機種ゆえ仕方のない部分だろうか。
ヤシカオートにもヤシカ得意のカラーモデルがあるが、バリエーションは掲載機の黒ベース白革のみ。他に通常の黒革のモデルがあるが、どちらかと言えばブラックモデルの方が見かけることは少ない。

ヤシカオート オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
ヤシカ(八洲光学) 日本 1959年
ビューレンズ
Yashinon 80/3.5 ヤシノン
テイクレンズ
Yashinon 80/3.5 ヤシノン
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 1m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Copal-MXV B・1・2・5・10・25・50・100・250・500
シャッターチャージ
巻き上げ連動式(セルフコッキング)
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面クランク スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
左側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 フレネル センターマット 補助線縦横各4本 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H138×W77×D101mm 1095g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • モデルバリエーションビューレンズ上部
    [左]ブラックモデルと掲載機 [右]ビューレンズ上部にシャッター速度と絞り値を表示
  • カメラ下部絞りダイヤル周りピントルーペ
    [左]裏蓋のロックは二重式 [中央]左右のダイヤルはプラスチック製 [右]ルーペの視野・収差は良好
  • レンズキャップレンズフード革ケース
    [左]Bay1準拠のレンズキャップ [中央]同レンズフード [右]カラーモデル用革ケース

管理人の

フレネルレンズも入ってますし通常使うには不足はありませんが、数が少ないヤシカオートを探すのなら頻繁に見かけるヤシカマットの状態が良いものを買うほうが賢明かと思います。
当機を非常に珍しいとする資料もありますが、カラーモデルはチョコチョコ見かけるような気がします。生産数が少なくても保護される機種とそうでない機種とがあり、残念ながらヤシカオートは後者?
また、ヤシカの各機種の判別方法は、情報倉庫の「ヤシカフレックスの見分け方」に掲載しています。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★☆
  • 使いやすさ…★★★★
  • 見つけやすさ…★★☆ ブラック★☆