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Petriflex

ペトリブランドで有名な老舗・栗林写真機製作所(後のペトリカメラ)から発売された二眼レフ・ペトリフレックス。二眼レフブームの1953年に発売された当機は、後継機や派生モデルが生産されることも無く一代限りのモデルとなったカメラだ。

基本的な仕様は、フイルム装填最初の1枚目を底部赤窓で確認して手動でカウンターをリセットする方式。上下レンズ間左右に絞り・シャッター速度変更用のダイヤルが配されており、数値はそれぞれの小窓で上部から確認が可能だが、窓も数値も小さく視認性はやや低い。
シャッターはカーペル銘の自社製で最高速度は1/200秒まで。シャッターチャージとレリーズを兼用するワンレバー式は、ローライコードと同様の方式を採用。
テイクレンズのダルマ型カバー右側に未チャージ時に赤表示となるシャッターインジケーター、左側にはやや変わった形状のセルフタイマーがある。

テイクレンズは4枚構成オリコールレンズだが、当機の試作段階では小西六(コニカ)のヘキサー(Hexar)を使用する案もあったとのこと。オリコールレンズは、スプリングカメラ・ペトリスーパーにも使用されている定評のあるものだ。また、テイクレンズ側にのみBay1形状のバヨネットを装備している。
ピントルーペはかなり径が大きくピントグラス全面を見渡せ、スクリーンフレネルレンズの無い一般的なものだが視認性は悪くない。ピントノブも、巻き上げノブより若干高さがあり操作性は良好。ピントフード前面脇にあるスライドレバーは、アイレベルファインダー仕様時のピントフード前枠を戻すためのもの。

ペトリフレックスはデザインも要所にこだわりが見られ、ネームプレート下側のヒサシのような突き出しや、シャッター・絞りダイヤル中央の突起なども独特な印象を与える。
最も特徴的なのは、大型の裏蓋ロック金具だろう。この金具はロックの安定という目的の他に、前方の部分がカメラの脚の役割も果たすという一風変わったものとなっている。

ペトリフレックス オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
栗林写真機製作所 日本 1953年
ビューレンズ
F Orikon 75/3.5 Fオリコン
テイクレンズ
Orikkor 75/3.5 オリコール
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~16 9枚 0.8m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Carperu B・1・2・5・10・25・50・100・200
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下レバー スライド式 チャージ兼用
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 1枚目のみ赤窓 以降自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各1本 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H137×W76×D98mm 1020g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • カメラ前部セルフタイマー
    [左]突起のある左右絞り・シャッター速度ダイヤルと、テイクレンズ脇の張り出しで独特の印象 [右]チャージ後に下にスライドさせてレリーズするとセルフタイマーが起動
  • ネームプレート周りカメラ底部
    [左]ネームプレート下のヒサシ状のデザイン [右]カメラ底部には赤窓と大型の裏蓋ロック機構
  • ピントルーペレンズキャップ革ケース
    [左]大径のピントルーペ [中央]結晶塗装の被せ式レンズキャップ [右]革ケース

管理人の

4枚構成のオリコールレンズに独特のデザインなど特徴的な二眼レフなのですが、シャッターは1/200秒までなど何かもうひとつ詰めの甘い印象を受けるカメラです。個体差もあるのでしょうが、大型の裏蓋ロック金具も左右への遊びが大きいため一回できちんとロックされないケースもしばしば。生産期間が短いという訳でもないのですが、中古市場で見かけることは少ない機種です。
また、ペトリフレックスという名称のカメラは、ブルズ・アイを装備した35mm一眼レフ・ペトリフレックス7も有名どころ。ペトリというブランドはメジャーではありませんが、その筋のコレクターさんも多いようです。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★
  • 使いやすさ…★★★
  • 見つけやすさ…