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Brillant Original

ブリラントは、ドイツの名門カメラメーカー・フォクトレンダー製の小型軽量機。ファインダーでピント合わせは出来ないので、厳密に言えば二眼レフとは別のカテゴリーになるかも知れない。日本での呼称は、「ブリラント」「ブリリアント」共に多い。

ピント合わせは目測で、レンズ自体を回転させて距離指標を利用する。シャッターはチャージ不要のエバーセット方式を採用し、速度も実用の2速とB(バルブ)のみと機構は必要最低限だ。
絞りは虹彩絞りではなく、穴開きの板が入れ替わる方式のため、中間値は使用できない。
また、ファインダーは素通しのコンデンサーレンズのみなので非常に明るいが、目の位置によってファインダー像が大きくケラレ、視野率もかなり低いので厳密なフレーミングには不向き。
カメラの裏蓋は、同じフォクトレンダーのスパーブばりに上下分割して開き、ロック機構は引っ掛けるだけのものだがしっかりした作りで不用意に外れる心配は少ないだろう。また、スプールノブなどは、スパーブと全く同じ部品が使われているようだ。
フイルム装填後一枚目を底部の赤窓で確認し、後はカウンターを見ながら巻き上げる方式。フイルム室内のローラーがフイルム送り量を感知してカウンターを進める。

掲載機はブリラントのごく初期のもので、距離表記が「チェコ語」で書かれている(と、ebay出品者が説明文に書いていた)。恐らく当時の輸出モデルといったところだろう。他にも英語はもとより、ドイツ語・フランス語仕様のものも確認している。
ブリラントのバリエーションは非常に多く、開放絞り値・シャッター速度違いやコンパーシャッター付きのモデルの他、ベークライトボディや撮影レンズにフォクトレンダーの名レンズ・スコパー(Skopar)が付いたものもある。また、当機の吊り金具は一般的ではない形状なので、革ケース無しにぶら下げて使うには一工夫が必要だ。
後にピント合わせ可能なフォーカシングブリラントも発売され、それをコピーしたのがソ連製のルビテルだと言われている。

ブリラントオリジナル オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Voigtlander フォクトレンダー ドイツ 1932年
ビューレンズ
無銘
テイクレンズ
Voigtar 75/7.7 フォクター
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
7.7 11 22 中間絞り使用不可 円盤入れ替わり 1m
フード取り付け
22mm被せ式 要一部加工
シャッター
無銘 B・25・50
シャッターチャージ
不要
レリーズ
前面シャッター外周レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 一枚目赤窓 以降カウンター合わせ
ピント合わせ
レンズ回転式
スクリーン 視差補正
コンデンサーレンズのみ ピント合わせ不可
内面反射対策
無し
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H112×W72×D83mm 500g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • テイクレンズ周り裏蓋開放
    [左]テイクレンズ周りは何ともクラシックなデザイン [右]裏蓋開放は2分割 カメラ側に補強のパーツがあるので、その下にフイルムをくぐらせる
  • 巻き上げ・カウンター機構ファインダー
    [左]巻き上げノブは逆回転防止 フイルム室内にあるのが送り検出のローラー 脇のスライドレバーでカウンターリセット [右]素通しコンデンサーレンズのファインダーは非常に明るい

管理人の

小型軽量で面白いのですが、真剣に使うのには向きません。ただ、スコパー付などの市場ニーズはソコソコあるようで。ただし、ボックスカメラ+αの二眼レフですので過度の期待は禁物。
スパーブ同様カウンターの動作はブリラントの命綱ですので要チェック。リセットした際にスムーズに戻るか確認しましょう。ファインダーはケラレや視野率の低さなど好き嫌いが大きく分かれそうなので、実際に一度確認することをお勧めします。
それから、ビューレンズをクルクルすると簡単にミラーなどの掃除が出来ますが自己責任で。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★
  • 使いやすさ…★★
  • 見つけやすさ…★★★☆ ベークライトモデル★★★ スコパー付き★★☆