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Microflex

イギリス製の二眼レフは、実質このマイクロフレックスと下位機種のマイクロコードのみと言ってよいだろう。
イルフォード製のものやエンサイン・フルビュー(Ful-Vue)シリーズもあるが、それらは目測の擬似二眼レフでありボックスカメラに近いものだ。

マイクロフレックスとマイクロコードは、ローライフレックスに対するローライコードの関係とほぼ同じで、上位機種のフレックスがクランク巻上げ・セルフコッキングの仕様となっている。
カメラの作りに関しても上位機種である当機の方が良好な印象だが、カメラ左右の張り出しや重量増となっているのはやや気になる部分。ストラップ金具も専用形状になってしまったのは残念だ。

フイルム装填は一般的なスタートマーク合わせで、カウンターは自動復元式。シャッターは最高速1/300秒のプロンターSVS。数値だけ見れば1/500秒に劣る感もあるが、実用面でその差異はほとんど感じられない。
シャッターと絞りはライトバリュー式で連動し、数値はビューレンズ上部で確認できる。確認窓は左右が非常に広いため、直感的な操作がしやすくなっている。ただ、絞り・シャッターの間にライトバリューの数値も表示されるため、少々猥雑な印象もある。
絞り・シャッターの連動変更は、向かって右の絞りダイヤル中央のボタンを押し込みながら操作することで可能だ。巻き上げクランク前方のレバーを押し下げれば、多重露出用に単独でシャッターチャージのみも出来る。
フイルム室内には内面反射防止バッフルを装備している。十分効果はあるだろうが、どちらかと言うと遮光壁と言うより凹凸板のようなものだ。シャッターボタンにレリーズソケットが付いたことで、アタッチメントなどの装着も可能。スクリーンフレネルレンズは入っていないが、視野が広く収差も少ないルーペもあってピントの山は掴みやすい部類かと思う。

テイラー&テイラー・ボブソン製と言われるテイクレンズ、マイクロナー77.5mmの評価は非常に高い。マイクロコード搭載ロス・エキスプレスとの差異は諸説あるようだが、一般的な「写り」で言えば、発売年がかなり遅いマイクロフレックスに分があるだろうか。

マイクロフレックス オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
M.P.P. イギリス 1959年
ビューレンズ
無銘 77.5/3.2
テイクレンズ
Micronar 77.5/3.5 マイクロナー
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 5枚 3ft
フード取り付け
Bay1(上下逆)
シャッター
Prontor-SVS B・1・2・4・8・15・30・60・125・300
シャッターチャージ
巻き上げ連動式(セルフコッキング)
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面クランク スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
左側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各4本 マスク補正
内面反射対策
バッフル 円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H136×W83×D100mm 1055g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • テイクレンズ周りビューレンズ上部
    [左]上下レンズ間絞りダイヤル中央にライトバリュー解除ボタン バヨネットはBay1準拠ながら上下逆 [右]ビューレンズ上部に広く撮られた絞り・赤字のライトバリュー数値・シャッター速度表示
  • フイルム室内右側面ピントルーペ
    [左]フイルム室内には内面反射対策の凹凸板 [中央]クランク前側に単独シャッターチャージレバー [右]ピントルーペはスクリーン全体を見渡せる
  • レンズキャップレンズフード革ケース
    [左]鏡面仕上げを用いたレンズキャップ [中央]Bay1レンズフード [右]革ケース

管理人の

特殊形状のストラップ金具は、中判ペンタックス用のものが概ね適合しますが、非純正のものを試したので多少の加工等が必要かも知れません。溝が狭めなので実物を適合させてみる方が良いと思います。
特に操作性が悪い訳ではありませんが、絞り・シャッターのライトバリュー連動式はやや好みが分かれるところでしょうか。私所有のマイクロフレックスはシャッターボタンが僅かに引っかかることがあり、マイクロコードに続き同じ部分のフィーリングが微妙で…。
あくまで個人的印象ですが、M.P.P.のフレックスとコードはローライのフレックスとコードよりも、カメラの「作り」の部分で差がやや大きいように思います。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★☆
  • 使いやすさ…★★★★
  • 見つけやすさ…★★