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Flexaret I

フレクサレット1型は、メオプタ社の前身オプティコテクナ社の二眼レフ。チェコスロバキア製。社名変更でメオプタ製となったのは、戦後2型の途中からのようだ。
その後、シリーズで唯一クランク巻上げの3型や機構・性能に定評のある6型を経て、1966年発売の7a型までフレクサレットシリーズは継続される。
レンズは掲載の1型のみ75mm付きだが、2型以降焦点距離は80mmとなり、フレクサレットの特徴とも言うべき振り子式ピントレバーを採用することになる。

当機は、業務を引き継いだブラダック社の製品をベースに作られており、巻き止め機構こそ省略されたが同社のカマラド(?)Mk2(Kamarad MII = Companion)との共通部品も多い。つまり名前は「フレクサレット」ではあるが、シリーズの1号機というよりは過渡期の製品という認識の方が正しいであろう。
なお、非常に情報の少ないフレクサレット1型以前のチェコスロバキア製二眼レフに関しては、クラシックカメラ専科No.40に詳しく掲載されている。

カメラの仕様は特徴的で、上下のレンズはカバー内で2本のワイヤーで繋がれており、ワイヤーに引かれることでレンズの繰り出しが連動する。ピント合わせの際の同調にも遊びはほとんど無く、操作感は非常に良好だ。
レンズ回転式の二眼レフは多いが、噛み合せたギアで連動させるものがほとんどで、ワイヤーによって同調する方式のものは大変珍しい。
ただしフイルム送りは完全赤窓式であり、スクリーンの見えや最短撮影距離1.5mなども現代に使用するにはやや物足りない。シャッターの最高速も1/150までだ。
レンズ・シャッターの組み合わせは、ミラー75mmF2.9と1/250迄のコンパー付きのモデルもあるが、掲載機に比べれば入手はかなり難しい部類に入るだろう。前出のコンパニオンなども、メイヤーのトリオプラン(Trioplan)75mmF2.9という同スペックのレンズを採用しているが見かける機会は極めて稀である。

フレクサレット1 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Optikotechna オプティコテクナ チェコスロバキア 1939年
ビューレンズ
Mirar 75/4.5 ミラー
テイクレンズ
Mirar 75/4.5 ミラー
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
4.5~25 10枚 1.5m
フード取り付け
42mm被せ式?
シャッター
Prontar II T・B・1・2・5・10・25・50・100・150
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
シャッター外周レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
レンズ回転式
スクリーン 視差補正
通常 補正無し
内面反射対策
無し
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H132×W75×D101mm 850g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • ビューレンズ上部カメラ底部
    [左]ビューレンズ上部に距離と被写界深度の指標 オプティコテクナの社名も [右]裏蓋は上部から開くので、カメラ底部は三脚ネジ穴のみ
  • テイクレンズ周りピントルーペレンズキャップ
    [左]シャッターはプロンターII レバーや指標類も戦前ゆえ小さめ [中央]ピントルーペも小径 [右]純正レンズキャップは無銘

管理人の

見かける頻度は多くありませんが、掲載モデルの1型ならコレクターズアイテムと言うほどではありません。激美品や付属品完備などでなければ、独創的な機構があるわけでもないので市場価格は一般的なレベルですが、ミラー75/2.9付きはそれなりの価格になるようです。フレクサレット以前のモデルは、探して簡単に見つかるレベルではないのでお値段は言い値だと思います。
また、掲載のレンズキャップは無銘ですが、複数確認していますので純正品で間違いないかと思います。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★☆
  • 使いやすさ…★☆
  • 見つけやすさ…★☆ 75/2.9モデル