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Weltaflex

戦後東ドイツ製のウェルタフレックス。東ドイツ製の二眼レフは、ローライ(F&H)やツァイスイコンといった大メーカーが揃った西ドイツに比べて非常に少なく、当機とレフレクタ(Reflekta)など数機種のみ。ただ、レフレクタ2型のネームプレートのみを変更したバリエーションモデルは多く存在するようだ。
ウェルタは、戦前には折りたたみ式のウェルタ・パーフェクタなどを発売したメーカー。

ウェルタフレックスにはフイルム送りが赤窓確認式のものと、スタートマーク合わせの自動巻き止め機とがある。掲載機は赤窓式だが、特に型番なども無いようなので単に「ウェルタフレックス」の表記としてある。
シャッターやレンズにも幾つかのバリエーションがあり、当機は最高速1/300秒のプロンターシャッターとレクタンレンズの組み合わせだが、レンズにはメイヤー・トリオプラン(Meyer Trioplan)もあるようだ。
また、数は少ないようだがオキュパイドモデルも存在。

当機ウェルタフレックスは、前板とピントフード下部に幅広で直線的なクロームを配したデザインが印象的。
ピントフードは、左右のボタンをスライドさせ簡単に取り外しが可能なのだが、特に交換用のファインダーがある訳でもないようだ。素通しのアイレベルファインダーには、部品を追加しての視差補正機構が付けられている。
ピントルーペは小径で視野も狭いが、倍率が高いためピント合わせは概ね良好に行える。
シャッターレリーズは右側面のレバーを押し下げる方式で、個体差はあるだろうがストロークがやや重いのでブレには注意が必要だろう。巻き上げないと次のレリーズが出来ない二重露光防止機構付き。また、シャッター自体が前板に埋め込まれるような格好になっており、絞り・シャッター速度レバーとチャージレバー、いずれも小さく操作性はあまり良いとは言えない。
東ドイツという印象のせいでもあるまいが、全体の操作感がやや硬めに感じるのは残念なところだ。

ウェルタフレックス オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Welta ウェルタ 東ドイツ 1956年頃
ビューレンズ
Rectan 75/3.5 レクタン
テイクレンズ
Rectan 75/3.5 レクタン
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 1m
フード取り付け
32mm被せ式 30mmねじ込み式
シャッター
Prontor-SVS B・1・2・5・10・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
右側面レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
左側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H140×W77×D97mm 1065g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • テイクレンズ周りアイレベルファインダーピントルーペ
    [左]テイクレンズ周りは、小ささと埋め込みとで操作性は今ひとつ[中央]アイレベルファインダーは、右のレバーで無限遠・最短撮影の視差補正が可能 [右]ピントルーペは内側のスライドレバーでの跳ね上げ式
  • シャッターレバーピントフード取り外し革ケース
    [左]右側面の押し下げ式シャッターレバー [中央]ピントフードを外した状態 [右]革ケース側面には金属の補強

管理人の

操作感が硬めというのは、決して作りが悪いという意味ではありませんので。ただ、素材や材質に難があるという記載も見かけ、掲載機も塗装浮きやメッキの劣化が散見されます。革ケースは、側面に大型金具を埋め込んだ非常にしっかりとした造りなのですけど。
何度もシャッター「ペダル」と書きそうになった側面のシャッターレバーは、少々好みが分かれそうです。
個人的には詰めは甘いものの硬派ないいデザインだと思うのですが、人気は低いようで同程度の機構の機種より安く売られているのを目にします。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★☆
  • 使いやすさ…★★
  • 見つけやすさ…★★★☆ 巻き止め機★★