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Altiflex I

戦前ドイツのエホー・アルティッサ製(エホー・アルトマンとする資料も)。当機アルティフレックスに関する情報は非常に少ないため、若干曖昧な点はご容赦願いたい。

アルティフレックスは掲載の1型でA~Hのバリエーションがあり、アイレベルの光学ファインダーの有無や搭載レンズの違いによって分類される。他にフイルム装填方法が裏蓋開閉式になった2型があり、シュタインハイル・カッサー(Cassar)レンズ付きのモデルもあるが、2型自体見かけることは稀である。
掲載機は入手したいずれの情報にも完全には合致しないため、単に1型の表記のみとした。ネームプレートのみ異なるウィルジン(Wirgin)銘のモデルや、ネームプレート部分に光学式露出計を装備したモデルも存在する。

当機はローデンシュトック製トリナーレンズ付。開放値2.9という、当時としては非常に明るいレンズが付けられている。アルティフレックスには開放F4.5レンズ付きのものの方が格段に多く、レンズの口径の差異から掲載機とは一見の印象が大きく異なる。
カメラの右側面上部から突き出ているのがシャッターレバーで、シャッター下部にあるレバーで直接レリーズすることも可能。ビュー・テイク各々のレンズには、連動するバーが付けられており、構えて左側面のレバーを操作して前玉回転式でピントを合わせる方式だ。
それらの突き出したレバー類もあいまって、アルティフレックスのデザインは独特な雰囲気を醸し出す。戦前としては珍しいプラスチック素材の巻き上げノブや、フイルムの装填を側・背面のカバーをすっぽり外して行うのも特徴的な部分だろう。フイルム装填と巻き上げは赤窓式となる。
カメラ全体を覆う貼り革や、フロントの丸みを帯びたクロームトリム。外形の大きなコンパーシャッターなど、個人的には非常に美しいデザインの二眼レフのひとつだと思っている。

アルティフレックス1 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Eho Altissa エホー・アルティッサ ドイツ 1934年
ビューレンズ
Rodenstock Trinar Anastigmat 75/2.9
ローデンシュトック トリナー
テイクレンズ
Rodenstock Trinar Anastigmat 75/2.9
ローデンシュトック トリナー
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
2.9~18 10枚 1.5m
フード取り付け
33mm被せ式 要一部加工
シャッター
Compur T・B・1・2・5・10・25・50・100・250
シャッターチャージ
独立式 T・Bはチャージ不要
レリーズ
右側面レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
左側面レバー
スクリーン 視差補正
通常 補正無し
内面反射対策
無し
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H125×W73×D97mm 705g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • ピント無限遠時ピント最短撮影距離時テイクレンズ下部
    [左]ピント無限遠時 [中央]同最短撮影距離時 [右]コンパーシャッター下に絞りレバーと指標、左がシャッターレリーズレバー
  • ビューレンズ上部巻き上げノブ周り
    [左]ビューレンズ上部の距離指標 [右]ストラップ金具は特殊形状 付き出たレリーズレバー下にあるのが裏蓋シェルのロックレバー
  • 本体分割ピントルーペ
    [左]フイルム装填時は本体を引き抜くように分割 [右]ルーペの視野は狭く収差もやや大きい

管理人の

大口径のローデンシュトックレンズは魅力的ですが、戦前なのでノンコート。スクリーンもルーペも時代なりのものです。ピント同調用のカムは、アルティフレックスの命綱ですので変形には要注意。吊り金具の形状も特殊ですが、恐らく中判ペンタックスかハッセル用の何れかが流用できそうなサイズに思えます。
カメラのエッジ部分も革で覆われているため、その部分が大きく劣化・磨耗しているものを幾つか見かけました。しかし、カメラのデザインはフランス有利かと思われがちですが、こうして見るとドイツデザインというのもナカナカのものです。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★☆
  • 使いやすさ…★★☆
  • 見つけやすさ…★★ 2型★☆ 1型小口径レンズ付き★★☆