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Mamiya C220

各種中判カメラで有名なマミヤ製。正式名称はマミヤフレックスC220プロフェッショナル。非常に珍しいレンズ交換可能な二眼レフであり、掲載機は80mmF2.8の標準レンズを装着している。
6x6フォーマットのレンズ交換式二眼レフには、フランスのレックスレフレックスもあるが、交換時にフイルムが感光してしまうなど実用的とは言えない仕様。

交換レンズは広角55mmから望遠250mmまでがあり、レンズ自体も幾度かのモデルチェンジがなされている。また、Cシリーズ末期に販売されたセコール80mm 2.8Sは、単体で市場に出ることは少なくやや希少。
レンズは巧みに曲げられた1本のワイヤーのみで固定されているが、工夫を凝らしたロック機構で不用意に外れる心配は無い。本体側面のダイヤル「UNLOCK」表示でワイヤー自体のロックが解除され、フイルム室内で感光防止の遮光板が立ち上がる仕組みだ。

C220はC330シリーズの下位機種にあたり、機能を簡略化し小型軽量化を図ったモデルで、セルフコッキングが省かれ距離表示なども簡略化されている。繰り出し量の多い望遠レンズを使用する際に有効な、カメラ前面下のシャッターボタンもC220には無い。
前モデルC22からの変更点は、圧板の回転とカウンター切り替えのみでに220フイルムが使用可能になり、Cシリーズのネックである大柄な筐体の小型軽量化が図られている。
フイルムを曲げずに直線的に送る方式は、シリーズ最初のマミヤフレックスCから継続されている特長で、フイルムの平面性を確保しピント精度を上げることに寄与する。
蛇腹を用いたこのシリーズは、ピント繰り出し可能量が非常に大きく二眼レフとしての近接能力はずば抜けている。三脚使用で接写をする際に、視差を補正するパラメンダーというアクセサリーも用意されていた。スクリーンはセンターマットのフレネルレンズ入りで、良質なルーペと合わせてピントの山は非常に掴みやすいので近接撮影にも十分耐えうるものだ。

C220の仕様としては、スタートマーク合わせのフイルム装填にシャッターチャージは手動。構えて右側面に折り畳みクランク付きの巻き上げノブ、カウンター・多重露光切り替えとレリーズレバーがあり、左側にレンズロック・解除ノブという配置。近代機種だけに操作性は非常に良好で、空シャッターは多重露光用のダイヤルを「MULTI」に合わせることで可能。通常撮影時は「SINGLE」に合わせる。なお、ボディラバーのシボは非常に細かなマミヤのイニシャル「M」の型押し。
このC220は実用上ほぼ完成の域に達し、生産年数10年をゆうに超えるロングセラー機種となった。

マミヤC220 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
マミヤ光機(マミヤOP) 日本 1968年
ビューレンズ
Mamiya Sekor 80/2.8 マミヤ セコール (交換可能)
テイクレンズ
Mamiya Sekor 80/2.8 マミヤ セコール (交換可能)
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
2.8~32 5枚 レンズによって異なる
フード取り付け
48mm被せ式 46mmねじ込み式
シャッター
Seiko B・1・2・4・8・15・30・60・125・250・500
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
右側面レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ(折りたたみクランク付き) スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
左右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 フレネル センターマット 補正マーク
内面反射対策
蛇腹 一面のみ植毛
フイルム送り
下→上 直進式
実測サイズ 三脚ネジ
H167×W88×D112mm 1410g (80mm付き) 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • 最大繰り出し巻き上げノブ周りレンズロック起点
    [左]蛇腹の再台繰り出し時 繰り出し部分には露出倍数表示なども記載されている [中央]巻き上げノブには折り畳み式のクランクを装備 220フイルムのカウンター切り替えはワンタッチだが、圧板も回転する必要がある [右]レンズを固定するワイヤー自体にストッパーがあり、不用意に外れることは無い
  • レンズ指標・チャージレバーカメラ底部
    [左]シャッター・絞りは同じ指標を使用 [右]左右にピントノブ 底部には三脚ネジ穴のみ
  • ピントルーペレンズキャップレンズフード
    [左]広い視野のピントルーペ ピントフードは4枚独立板 [中央]被せ式レンズキャップ [右]後期型の締め付け式レンズフード

管理人の

実質このシリーズ以外レンズ交換式の選択肢は無いので、前後のモデルと上位機種とを比べて自身にあったものを選択すると良いかと。C330「よりは」小型軽量ですので、便利さを取るか軽さを取るかですね。
中古市場でC220の数は豊富で状態の良い物が多い印象です。ただ、前モデルのC22やC2は状態の良いものが少なく、後継のC220fは数自体が少なめです。意外と盲点なのはレンズのリアキャップ。単体での入手は困難ですので、レンズが増えそうなら気にしてみると良いかも知れません。
掲載のレンズフードは後期レンズ用の48mm被せ式で、掲載の80mmの他、ビューレンズにも絞りのある105mmDSと135mmで共用可能です。前期型80mmは42mm径が適合です。
また、写真ブログ・写真賦写真機の回廊経由で、近接比較や65mmレンズの実写画像を公開しています。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★★☆
  • 使いやすさ…★★★★
  • 見つけやすさ…★★★★ C2・C22★★☆ C220f★★