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Primoflex IVA

戦後の国産二眼レフの中核を担ったプリモフレックス。カメラ産業界で数々の名機を輩出した東京光学製。プリモフレックスは普及機よりもやや上のクラスで展開され、11機種のバリエーションがある(3F型をカウントせず10機種と記載する資料も)。

掲載機プリモフレックス4A型は1954年の発売で、シリーズで初めて上下レンズ周りにBay1バヨネットを採用し、フイルム装填はスタートマーク合わせ式。カウンターの自動リセットやフイルム室内の内面反射対策、レンズのコーティング変更などを施した完成度の高いモデルだ。
翌年発売の3F型が、東京光学の名レンズと言われる3枚玉トーコーの最終機となり、その後のVA型オートマットは新設計の4枚構成トプコールレンズを採用している。

当機の仕様は、オーソドックスなローライコード型。カメラに向かって右下に見える長いレバーが絞り操作用。掲載機は突き出しの長いものだが一般的な長さのものもあるようだ。同じ位置にある短いスライドレバーがシャッター速度変更用で、数値はそれぞれ左右の小窓に表示される。
ビューレンズ脇のレバーは多重露出用で、通常撮影時は縦位置にセットしておく。シャッターを切った後は、巻き上げ操作が完了するまでシャッターチャージが出来ない仕様となっている。

シリーズを通じて、フイルム室内の内面反射防止対策は遮光バッフルではなく高さの無い凹凸板を採用。
ピントフード後ろにあるスライド式レバーでピントフードの開放、前側のレバーは左右に動作し、それぞれ透視ファインダーとピントルーペの跳ね上げに割り振られている。また、ピントルーペは遮光性に配慮した大型のもので、ルーペを出したままスクリーン全視野を確認可能。
東京光学独自のフレネルレンズ「トーコーブライト」は、視界の明るさの確保は勿論、中心のマット面を大きめに取りピント合わせの利便性を図ってあるのが特徴的。好みの問題というレベルであるが、個人的にはセンターマットのエッジ部分が目に付いて少々うるさく感じる面も。無論、視野の明るさが得られるという恩恵は非常に大きいものである。

プリモフレックス4A オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
東京光学(トプコン) 日本 1954年
ビューレンズ
Toko 75/3.5 トーコー
テイクレンズ
Toko 75/3.5 トーコー
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 9枚 1m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Rectus B・1・2・5・10・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 フレネル センターマット 補助線縦横各1本 補正無し
内面反射対策
凹凸板 円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H139×W76×D99mm 1030g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • シャッター・絞りレバースクリーン
    [左]同じ位置にあるシャッター速度と絞り操作レバー 裏蓋ロックはダイヤル式 [右]東京光学独自のフレネルレンズ・トーコーブライト
  • シャッター速度指標周りフイルム室内
    [左]シャッター速度表示窓 逆側に絞り表示 チャージレバーはやや小さめ [右]フイルム室内には内面反射対策の凹凸板
  • ピントルーペレンズキャップレンズフード
    [左]ピントルーペは遮光性に配慮したもの [中央]レンズキャップはストッパー無し [右]Bay1準拠のレンズフード

管理人の

多くのモデルがあるプリモフレックスですが、この4A型は普段使いには過不足無い機種かと思います。ただ、位置付けが微妙な中堅機種ですのであまり安価でない場合も。空シャッターを切るには、前面向かって左の多重露光レバーを倒してからレリーズします。
3枚構成ながらトーコーレンズは非常に評価の高いものです。なお、純正レンズキャップはロック機構が無くサイズも余裕たっぷりで落下し放題。撮影の時は別のBay1のものを流用したほうが良いかも知れません。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★☆
  • 使いやすさ…★★★☆
  • 見つけやすさ…★★★☆