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Elmoflex V

エルモ社は現在も防犯カメラ等を製造しているメーカーで、8mmカメラやプロジェクターを主力商品としていた。
戦前にエルモフレックス1号機を発売した古参だが、二眼レフ12機種ほど(6型と6M型を一括5Mもしくは6型とする資料も)を製造したのみで銀塩カメラからは撤退している。
中級機を発売しながら、「二眼レフだけ」というメーカーも珍しいのではないだろうか。

エルモフレックスは、1型とジュニア以外のモデルでオリンパス製ズイコーレンズを搭載。
掲載機5型は、レンズ周りのバヨネットや上下レンズ間の絞り・シャッターダイヤルといった当時の二眼レフの主流のスタイルを採用しデザインを大きく変えたモデルだが、基本性能自体は1つ前の3F型と大きく変わってはいない。
また、レンズ周りのバヨネットはBay1に近いもののやや互換性に欠け、発売当時からその問題が指摘されていたようだ。特に内バヨネット装着のアクセサリーは、実機で確認してから入手したほうが良いだろう。
カメラ側面にフラッシュガン用のネジ穴があるのは、国産二眼レフでは珍しい仕様。

エルモフレックスの売りの機構であったアイレベルでのピント合わせと、素通しファインダーでのフレーミングが両立するようにピントフード前板は二段階でロック可能。背面にはピント合わせ用にレンズの入った接眼部がある。スクリーンはスリガラスのみでやや暗いものの、ピントの山は掴みやすい部類かと思う。
ただ、フイルム室内の内面反射対策が無いのはやや残念。カウンターの自動復元は後継機で達成されたが、セルフコッキングには最後までならなかった。
カメラの造りや操作性は良好で、前面のダイヤルや絞り・シャッター指標の窓、スタートマークにまで「モノ作り」の姿勢が垣間見える。それゆえにか販売価格の設定は仕様に比してかなり高目であり、現在の中古市場で見かける機会はさほど多くない。

エルモフレックス5 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
エルモ 日本 1954年
ビューレンズ
Olympus Zuiko F.C. 75/3.5 オリンパス ズイコー
テイクレンズ
Olympus Zuiko F.C. 75/3.5 オリンパス ズイコー
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 1m
フード取り付け
Bay1 内バヨネット互換性低し
シャッター
Seikosha-Rapid B・1・2・5・10・25・50・100・250・500
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各1本 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H142×W79×D96mm 1075g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • テイクレンズ周りビューレンズ上部
    [左]絞りダイヤルの精緻なローレット加工 シャッターボタン上部の面積が広く押しやすい [右]ビューレンズ上部に絞り・シャッター速度を表示
  • 巻き上げ・ピントノブピントフード背面
    [左]ピントノブ・巻き上げノブとも効果的な滑り止め加工 [右]ピントフード内側にアイレベルフォーカス用のミラー
  • カメラ底部ピントルーペレンズフード
    [左]底部にある裏蓋ロックは二重式 [中央]ピントルーペの視野は広め [右]Elmo銘のバヨネットフードは非常に少ない

管理人の

レンズ周りのバヨネット採用後のエルモフレックスは、販売価格が高かったせいもあってか中古市場で見かける機会は少な目です。スタートマーク合わせになった3E・3F型などでも、レンズはコーティングなどに差異はあるものの当機とほぼ同じ仕様ですので実用的には狙い目でしょうか。
最終の6型はカウンター自動リセットなので、巻き上げ・ピントノブ間にスライドボタンが無いことと、絞り・シャッターダイヤル中央の赤と黒の点が無いのを目印にすると簡単に見分けられると思います。ただしコストダウンが優先課題だったとの話もあり、巻き上げ・ピントノブの仕上げ等は精緻感が減退してます。
オリンパスのズイコーを搭載した二眼レフは、本家オリンパスフレックスアイレスフレックス、マミヤのオートマットAにワゴーフレックスなどがありますが、レンズのクモリにはくれぐれもご注意を。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★
  • 使いやすさ…★★★
  • 見つけやすさ…★★ 6型★☆